Google Public DNS とは? 特長や Android スマホでの設定方法を紹介
[go: up one dir, main page]

Google Public DNS とは? 特長や Android スマホでの設定方法を紹介

Google Public DNS とは? 特長や Android スマホでの設定方法を紹介

2024.05.16

Google Public DNS とは? 特長や Android スマホでの設定方法を紹介

Google Public DNS は、誰でも無料で使える「パブリック DNS サービス」です。DNS サービスとは、「google.com」などのドメイン名を扱うための仕組みのことで、Android スマホの DNS サーバーの設定を Google Public DNS に切り替えると、安全かつ高速にインターネットが使えるようになります。本記事では、インターネットに欠かせない仕組みである DNS とは何か、Google Public DNS の特長、Android スマホでの設定方法などについて紹介します。

Google Public DNS とは

パブリック DNS や Google Public DNS の紹介をする前に、まずは現在のインターネット通信に欠かせない仕組みである DNS とは何かを簡単に説明します。

Google Public DNS とは

DNS の仕組み

DNS は、ドメイン名に関する情報をまとめて管理するシステムです。

ネットワークに接続されているすべてのコンピュータやサーバーには、「IP アドレス」という番号が割り振られています。私たちが普段、ウェブサイトの閲覧や E メールの送受信といったインターネットを使った通信をする際、コンピュータは IP アドレスを使って、情報の送受信先を特定しています。

しかし、IP アドレスは「74.125.239.35」のような数字の羅列で構成されていて、人間にとって非常に覚えづらい情報です。そこで、IP アドレスの代わりに「google.com」や「gmail.com」などの文字列からなるドメイン名を利用する、DNS(Domain Name System : ドメイン ネーム システム)の仕組みが考案されました。DNS は、ドメイン名と IP アドレスを相互に変換するほか、ドメイン名宛のメールを送るべきサーバー名を返したりするなど、ドメイン名にまつわるさまざまな処理を担っています。

DNS の仕組みは、スマホの電話帳にたとえるとわかりやすいかもしれません。たとえば、ドメイン名はスマホの連絡先リストにある「母」といった名前、IP アドレスはその人の「電話番号」にあたります。スマホの電話アプリで「母」をタップすると「電話番号」が自動入力されてその人に繋がります。

これと同様に、インターネットでは DNS によりドメイン名が IP アドレスに変換されるので、情報の送受信が可能になります。「www.google.com」とドメイン名を含む URL を入力すると、ブラウザは DNS サーバーにドメイン名「www.google.com」の IP アドレスを尋ねます。DNS サーバーは、ドメイン名に割り当てられた IP アドレス(74.125.239.35 など)をブラウザに返し、ブラウザはその IP アドレスのウェブサーバーに接続して目的のウェブサイトを開くのです。(下図参照)DNS の仕組みの図解

Google Public DNS の概要と特長

このように、DNS サーバーは私達がインターネットを利用する際に必ず利用しているものですが、普段インターネットを使うときに、DNS サーバーを意識している人は少ないかもしれません。なぜなら、スマホなどのデバイスは、携帯通信会社やインターネット サービス プロバイダから提供される DNS サーバーが自動で設定されているからです。

しかし、自動で指定されるもの以外に、「パブリック DNS」という誰でも無料で利用できる DNS サーバーを利用することもできます。Android デバイスでも設定を変更することでパブリック DNS を利用できるようになり、現在利用している DNS サーバーの環境によっては、変更することによって、通信速度や安全性が向上する可能性があります。

Google が提供するパブリック DNS、Google Public DNS は、パフォーマンスの良さとセキュリティの高さが特長です。Google Public DNS は、Google の検索エンジンと連動しており、インターネット上に存在するドメインの大半に関する情報を持っています。ドメイン名から IP アドレスへの変換などの際に収集済みの情報を使うため、高速に動作します。

また、セキュリティ対策が講じられていない DNS サーバーでは、DNS のなりすまし攻撃などにより、悪意のあるページに転送されて情報を抜き取られるなどの危険性がありますが、Google Public DNS では、こうしたなりすまし情報を受け取らないようにするなど、さまざまなセキュリティ対策が講じられているため安心して利用することができます。

そのため、現在使用しているネットワーク状況によっては、Google Public DNS に変更することで、パフォーマンスやセキュリティが向上する可能性があります。特に公衆 Wi-Fi などを使用する際に便利です。

Google Public DNS のメリットについて詳しくは、メリットと機能強化の概要を参照してください。

Google Public DNS を Android スマホで利用するには

機種によって DNS サーバーを変更する設定方法はいくつかありますが、Android のプライベート DNS モードを利用して設定するのが簡単です。プライベート DNS モードで指定する DNS サーバーは、通信を暗号化するプライベート DNS に対応している必要があります。Google Public DNS はこれに対応しているため、次の手順で設定することができます。

※プライベート DNS の設定を行えるのは Android 9 以降です。

Google Public DNS を Android スマホで利用するには

Google Public DNS を設定する手順

手順は以下のとおりです。

  1. 設定アプリを開きます
  2. [ネットワークとインターネット] をタップします
  3. [プライベート DNS] をタップします
  4. [プライベート DNS プロバイダのホスト名] にチェックを入れます
  5. DNS プロバイダのホスト名として「dns.google」と入力します

プライベート DNS の設定画面

  1. [保存] をタップして完了です

なお、Google Public DNS はパソコンでも 利用可能です。パソコンで利用する場合は、プライベート DNS ではなく、通常の DNS サーバーとして設定するのが一般的です。DNS サーバーの IP アドレスを 8.8.8.8 や 8.8.4.4 などに置き換えてネットワークを構成しましょう。各 OS での設定方法などの詳細は、Google Public DNS を使用するようにネットワーク設定を構成するをご覧ください。

プライベート DNS モードとは

Android スマホのプライベート DNS モードとは、暗号化された通信で DNS サーバーへの問い合わせを行うようにする設定です。プライベート DNS モードが有効になっている場合は、ドメインに関する問い合わせが漏洩することなく、プライバシーを保てます。そのため、デフォルトでは、暗号化通信が可能であれば自動で利用する [自動] の設定になっています。

プライベート DNS モードには、以下の 3 つのモードがあります。

OFF

プライベート DNS モードを使いません。接続中のネットワークが指定する DNS サーバー(携帯通信会社やインターネット サービス プロバイダで提供される DNS サーバー)に接続し、DNS に関するやりとりを暗号化しません。

自動

デフォルトの設定です。[OFF] の場合と同じく接続中のネットワークが指定する DNS サーバーを使いますが、暗号化通信が可能であれば、利用します。

プライベート DNS プロバイダのホスト名

接続する DNS サーバーを指定する方法です。接続中のネットワークで指定された DNS サーバー(携帯通信会社やインターネット サービス プロバイダで提供される DNS サーバー)は使わずに、特定の DNS サーバーを利用して暗号化通信をします。

これらの設定は、原則としてスマホで利用するすべてのネットワークに反映されます。スマホのプライベート DNS モードは、基本的には [自動] に設定しておき、プライベート DNS モードに対応している利用したい DNS サーバーがあれば [プライベート DNS プロバイダのホスト名] で指定するとよいでしょう。

ただし、機内 Wi-Fi などの一部の環境では [プライベート DNS プロバイダのホスト名] を選択していると、つながらなくなることがあります。その場合は [自動] に戻すか、[OFF] に設定しましょう。

また、プライベート DNS モードは、DNS に関する通信のみを保護します。さらにセキュリティを強化したい場合は、DNS の通信だけでなく、すべての通信を暗号化する VPN をあわせて設定してみてはいかがでしょうか。

Google Pixel 7 シリーズ、Google Pixel 8 シリーズ、Google Pixel Fold をお使いの方は Google が提供する VPN を利用できます。Google Pixel の VPN 機能について、詳しくは Google Pixel でバーチャル プライベート ネットワーク(VPN)に接続するを参照してください。

※プライベート DNS と VPN の併用が可能なのは Android 10 以降です。詳しくは Google Public DNS を使用するようにネットワーク設定を構成するをご確認ください。

セキュリティやパフォーマンスの向上に Google Public DNS を使ってみよう

本記事では、DNS の仕組みや Google Public DNS の特長、Android スマホでの設定方法などを紹介しました。

Google Public DNS とは、Google が提供するパブリック DNS サービスで、セキュリティの高さが特長です。デバイスの設定を変更することで、誰でも無料で利用することができます。

Android スマホの場合は、プライベート DNS モードから Google Public DNS を利用する設定が可能です。気になった方は、お手持ちのスマホで試してみてはいかがでしょうか。

※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。

※本記事は、2024 年 3 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。

参考:

前の記事

Google Travel の使い方を紹介! 自分に合った旅行プランを立てよう

Google Travel の使い方を紹介! 自分に合った旅行プランを立てよう

Google サービス 2024.05.16

次の記事

Google アカウントでサービスをより便利に使える! 活用シーンや作成方法を解説

Google アカウントでサービスをより便利に使える! 活用シーンや作成方法を解説

Google サービス 2024.05.16