USB起動ディスクの作り方 - MS-DOS、FreeDOS、イメージファイル、USBフラッシュメモリ
更新:2016-05-18
USB起動ディスクの作り方、フリーソフト。
対象 : Windows 10/8.1/7/Vista/XP
DOSの起動ディスクを作る
昔この記事を書いてから随分時代が変わり、最近は便利なツールがあり、Rufusというソフトについて先に記す。
RufusはUSBメモリにISOイメージやディスクイメージを書き込んだり、USBブートメディアを作成できるソフト。
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/rufus/
などからダウンロードする。
- PCにUSBメモリを挿してからRufusを起動する。
- [デバイス]にUSBメモリが表示されていることを確認する。
※USBメモリが認識されていないと何も表示されない。
- フォーマット設定にて「ブートディスクを作る」、「FreeDOS」が選択されているのを確認する。
FreeDOSではなく、別のISOイメージやディスクイメージを使ってブートディスクを作る場合はプルダウンメニューから「ISOイメージ」または「DDイメージ」を選択し、その横にあるドライブのアイコンをクリックし、書き込みたいイメージファイルを選択する。
- 基本的にすべての項目は特に何も変更することなく、デフォルトのままで良い。
- [スタート]をクリックすると書き込み開始。
以上でUSBブートメディアが完成。
必要なファイルのコピー
作成したUSB起動ディスクはUSBメモリから起動でき、DOSのコマンドが使えるだけの状態なので、DOSで使いたいアプリケーションがあるならそれもコピーする必要がある。
コピーの方法は単に必要なファイルをUSBメモリの一番上の階層などにコピーするだけ。
例えば、DESTROYというHDDのデータを消去するアプリケーションの場合はDESTROY.COMをUSBメモリにドラッグ&ドロップで普通にコピーすれば良い。
パソコンをUSBから起動(ブート)
PCがSSD、HDD、CD/DVD/BDドライブなどから起動する設定になっている場合は、USBから起動するように順番を変更するか、PC起動時にブートドライブを手動で選択する。
BIOS(UEFI)を表示させるには、PC起動後[DELETE]キー、[F2]キー、[F7]キーなどを押す。
ブートドライブの選択は[F10]~[F12]キーなど。
どのキーを押すかはBIOSの種類により異なり、大抵起動時にどのキーを押せば良いか表示されるのでそれに従う。
USBの起動ドライブがハードディスクに分類されて表示されているBIOSもある。
アプリケーションの起動
USBメモリからの起動に成功するとDOSの画面が表示される。
ドライブは「C:\」などとなっている。
試しに「dir」というディレクトリを表示するコマンドを打つと、USBメモリにコピーしたアプリケーションが表示される。
C:\>dir
例えば DESTROY.COM を使う場合、DESTROY.COM と打ってEnterキーを押すと実行できる。
C:\>DESTROY.COM
以下は古い方法ですが、一応記事を残しておきます。
USBメモリからDOSを起動する方法
最近はフロッピーディスクドライブ(FDD)がないパソコンが多いので、USB起動ディスクの作り方を知っていると便利です。
フロッピーの場合は、フロッピーディスクをドライブに入れてエクスプローラー(ファイラの方)などでFDDのアイコンを右クリックすると、「フォーマット」→「MS-DOSの起動ディスクを作成する」で作成できます。
Windows98ではUSBメモリでもこの方法で起動ディスクを作成できますが、Windows2000やXPではできません。
以下、MS-DOSを使う方法とFreeDOSを使う方法について書きます。
事前に拡張子、隠しファイルなどを表示する設定にして下さい。
MS-DOSを使う場合
- MS-DOSとは、Windowsで昔から使われているDOS(ディスク・オペレーティング・システム)です。
必要となるファイルは、COMMAND.COM、IO.SYS、MSDOS.SYS の3つです。
Windows XPなどでフロッピーで起動ディスクを作れば、上記3つのファイルが手に入ります。
ちなみに上記3つのファイルは、Windows XPの「C:\」や「C:\WINDOWS\SYSTEM32」にもありますが、これらをコピーしても起動ディスクになりません。
- フロッピーディスクドライブがない場合、上記ファイルを入手できません。
そこで仮想FDDのソフトを使います。
Virtual Floppy Driveをダウンロードします。
USBポートにUSBメモリを差し込みます。
ダウンロードしたファイルを解凍後、vfdwin.exe を実行。
「ドライバ」タブにて「開始」ボタンをクリック。
「ドライブ0」タブを選択し、「変更」をクリックし、適当な「ドライブ文字」を選びます(ここではFを選んだとします)。
「開始/新規」をクリック後、「開始」をクリック(各設定項目は初期のままでOK)。
この状態で「スタート」→「マイコンピュータ」を見るとFドライブが表示されます。
右クリックし、「フォーマット」→「MS-DOSの起動ディスクを作成する」で起動ディスクを作成します。
仮想のFドライブにCOMMAND.COMなどがコピーされた状態になります。
- 次にHP USB Disk Storage Format Toolをダウンロードします。
HP USB Disk Storage Format Tool
の Download Locations:「Primary Download Site」と書いてあるリンクからダウンロードできます。
たまにダウンロード場所が変更になるので「HP USB Disk Storage Format Tool」で検索して探してください。
HP USB Disk Storage Format Toolをインストールし起動するとウィンドウが表示されます。
Device:USBメモリのドライブが選択されているか確認。
File system:FAT32 または FATを選択。
Volume label:空欄でOK。
Quick Format:チェックしてもしなくてもOK。
Create a DOS startup disk:チェック。
using DOS system files located at:上記仮想FDD(ここではFドライブ)。
その後「Start」をクリック。
仮想FDDを使わなかった場合は、COMMAND.COM、IO.SYS、MSDOS.SYS が置いてあるフォルダを指定します。
- 以上で完成です。
USBメモリの中身を見ると、COMMAND.COM、IO.SYS、MSDOS.SYS が入っていることが分かります。
また、WindowsのFDDで作成した起動ディスクの場合は、上記3つのファイル以外にもいくつかファイルが含まれますが、DOSを起動するだけならこれら3つのファイルだけでOKです。
HP USB Disk Storage Format Toolで他のファイルをコピーしようと思っても、上記3ファイル以外コピーされません。
FreeDOSを使う場合
- FreeDOSというフリーのオペレーティングシステムがあります。
MS-DOSのファイルが手に入らない場合は、このようなDOSを利用します。
http://www.freedos.org/download/
から「fdboot.img」というイメージファイルをダウンロードして下さい。
http://www.ibiblio.org/pub/micro/pc-stuff/freedos/files/distributions/1.0/fdboot.img
から直接ダウンロードできる。
- 必要となるファイルは、COMMAND.COM、KERNEL.SYS の2つです。
これら2つのファイルをfdboot.imgから抽出するために、
DiskExplorer
を使います。
DiskExplorerをダウンロード後、editdisk.exeを起動。
fdboot.imgを選択して、ファイルを開きます。
「一般ディスクイメージ」を選択して開いてください。
右側のウィンドウに表示されたファイルから COMMAND.COM と KERNEL.SYS を選択。
Altキーを押しながらファイルを選択すれば、複数のファイルを選択できます。
メニューから「ファイル」→「取り出して保存」を選択し、ファイルを保存します。
ファイル名は「自動」のままでOKです。
元のファイル名のまま保存されます。
- 次に上述「HP USB Disk Storage Format Tool」をダウンロードして下さい。
HP USB Disk Storage Format Toolをインストールし起動するとウィンドウが表示されます。
Device:USBメモリのドライブが選択されているか確認。
File system:FATを選択。FAT32だとエラーになる場合があります。
Volume label:空欄でOK。
Quick Format:チェックしてもしなくてもOK。
Create a DOS startup disk:チェック。
using DOS system files located at:上記2つのファイルが置いてあるフォルダを選択。
その後「Start」をクリック。
- 以上で完成です。
USBメモリの中身を見ると、COMMAND.COM、KERNEL.SYS が入っていることが分かります。
fdboot.imgには他のファイルも含まれていますが、DOSを起動するだけならこれら2つのファイルだけでOKです。